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2014年2月11日第57回 わんちゃんの耳の内

 

うちの子の耳が臭いと、思っている飼い主さんはたくさんいらっしゃいますね。生まれつき耳が臭いわんちゃんはいない訳で、それには相応の理由があります。臭いという汚名を一身に浴びている子の多くは耳垂れ犬。筆頭はアメリカンコッカー。シーズ。ラブ。ゴールデン。ダックス。耳の穴を塞ぐことに何かしら原因がありそうですね。ということで、わんちゃんの耳の穴の探検に行きましょう。

わんちゃんの耳掃除を綿棒でなさっている方も多いかと思いますが、それは危険なこと。獣医さんたちも綿棒でぐりぐりはしなくなりました。わんちゃんの耳の穴は、垂直耳道と水平耳道からできており、平たくいえば真っ直ぐ鼓膜までつながっているわけでは無く途中で90度ほど曲がっているのです。そのため綿棒で掃除をしているつもりでもこの直角部に耳垢が押し込まれ、さらに通気を悪くし炎症を誘発する危険があるのです。最近では、耳道洗浄剤が進化し洗浄しながら耳垢を外まで押し出してくれるようになりました。また鼓膜から内側が中耳、内耳。鼓膜から外側が外耳です。臭い耳の多くは外耳炎と言えます(重度の中耳炎内耳炎になると、首が曲がって正しい姿勢をとれなくなることもあります)。

では耳糞、耳垢と言われる物は何なのか?本には皮膚の残骸と耳道線からの分泌物が混ざったものとあります。耳の皮膚には耳道線と言われるアポクリン腺があり脂やタンパク質を分泌しています。これは耳道を外に向かって排出され異物や皮膚の残骸を押し出してくれるということになっています。

なにっ?どこかで聞いたことのあるアポクリン腺とは?そうです!人間でもちょっと臭うところ、脇の下、肛門周囲などにあるあれが耳の穴の中にもあるのですよ。この分泌物は皮膚の常在細菌で分解され臭いを発し、フェロモンとして作用すると書かれています。本来なら野生生物は耳からの臭いも利用していたのですね。

いやいやそうでは無く、臭いの話でした。この本来なら、フェロモン物質の耳垢。蒸れたり、濡れたりストレス状態が続くと、悪者の細菌やカビが増殖し、更なる不快臭を発するのでした。お家でできる外耳炎予防は「マメに優しく外耳道をテッシュ等で拭く。耳垢がねっとりたまる前に取る」のが一番のようです。また、残念ながら感染してしまったらお薬を使うしかありません。