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2014年2月11日第59回 再び。なぜマダニが怖いのか?

何回もマダニの怖さを書いてきましたが、近年マダニが媒介する新しいヒトの病気が発見されました。
ヒト『重症熱性血小板減少症』(SFTS)がマダニ媒介ウイルスによって起こる新興感染症とわかりました。
ヒト以外の動物からもSFTSに対する抗体は検出されてはいるものの、発症するかどうかは今のところ不明です。

犬にとってマダニが媒介する病気で一番恐ろしいのは『犬バベシア症』です。このバベシアというのは単細胞生物で寄生虫の一種です。犬の赤血球内で増え赤血球を破壊するため、犬は貧血をおこします。食欲低下に始まり、発熱、茶色の尿、黄疸など…感染から数週間後に症状が現れることが多く、気づかぬうちに進行しています。重症の場合は亡くなることもあります。現在のところ特効薬が無く、薬による治療が難しい病気で、症状が治まっても、バベシアが体内に潜んでおり、再発が見られることも少なくありません。では予防はと言われると、マダニに咬まれないようにするとしか言えないのです。マダニは春から秋にかけて活発に活動する、昆虫ではなく蜘蛛の仲間。アレルギーの原因になる家ダニとは異なり、肉眼でも見ることができます。厚い外皮に覆われ、3~4ミリの体長が吸血すると1センチ近くになります。
かれらは、草むらや河川敷などの主にイネ科植物の葉の先端に上り、二酸化炭素を発生する体温を持った動物が通ると飛びつきます。つまりヒトでも犬でも狸でもかまわないのです。彼らは咬み付いたときに痛みを感じさせない物質を出し、犬もヒトも気づかないうちに吸血されてしまいます。ヒトではマダニが活動する時期には長袖長ズボンを着用することが勧められています。では犬はと言えば、やはりダニの予防薬を使うことが一番ではないでしょうか。近年、外用剤の他に、ノミダニ予防の内服薬も発売されました。バベシアは48時間以上の吸血で感染するという報告も出ています。
それぞれの子に合った薬を、賢く使い分けて行く夏が来ます。