わいワイ がやガヤ 町コミ 「かわらばん」

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2014年2月12日第65回 ミルク!ミルク!ミルク!

 

 

春になりました。また可愛い赤ちゃん犬や猫が生まれる時期です。そこで少しミルクのお話。

牛乳をワンちゃん達に与えるときに起こる大きな問題が2つあります。まずは栄養学的な問題。妊娠期間63日、離乳期生後35日のワンちゃん達にとって大事なのはミルクの中の栄養。イヌネコとも母親のミルク中には、タンパク質はヒトの約7倍。牛乳の2倍。カルシウムに至っては、ヒトの10倍、牛乳の2倍もあります。カロリー的にも牛乳の2倍ほどになります。成長スピードが早い動物ほど、母親から与えられるミルクの栄養分が多いと言われています。つまり牛乳を与えられて育った赤ちゃんイヌネコは栄養が足りなくなってしまうのです。 ちなみにミルク100g中のカルシウムをヒトと牛で比べると、ヒトは約25㎎、牛は115㎎。これだけ見るとヒトは牛乳でカルシウムを補えるかのように思えますが、ヒト成人男性が一日に必要なカルシウムは778㎎。牛乳だけで補うとすると7リットルも飲まなければなりません。きちんとした栄養を摂るために食事は大事ですね。 また、不思議なことにミルクの中にはミルクにしか存在しない糖分、乳糖が入っています。これは牛乳を飲むとお腹がグルグルして下痢を起こす原因物質なのですが、ほ乳期の動物には、この乳糖を分解する酵素ラクトースが存在するため赤ちゃん達は下痢しません。しかしこの分解酵素は、成長するにつれ減っていきゴロゴロお腹の原因になります。つまり、ほ乳期が終わった、イヌネコに牛乳を与えると下痢をするということです。ミルクを飲むと下痢腹痛を起こさせる。これには、『成長した動物にはいつまでもおっぱい飲むなと離乳をうながし、母親の次の妊娠にそなえるのだ』という説があります。なんだか自然の摂理ですが耳の痛いような説ではあります。 また、歴史的に乳製品を食べていた、西欧人は大人になってもラクトースが減らず、牛乳を飲んでも下痢はしないと言うことです(イヌネコ用の粉ミルクはスーパーやホームセンターで購入できます。もちろん動物病院にもありますよ)。