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2014年3月27日第66回 牛ミルクの話から…

数年前、牛のBSE(牛海綿状脳症)という病気が発生し日本でも大掛かりな検査がおこなわれました。これは脳の中に異常タンパクが侵入し正常な脳組織を異常に変化させるという病気です。牛の食べ物に入っていた肉、骨のなかの異常プリオンタンパクが原因でした。牛は草食動物です。ではなぜ肉や骨を食べるのでしょうか?
今回のお話はここから始まります。
          無題

私たちが毎日飲む牛乳。主にホルスタイン種という乳牛から絞ったお乳です。では乳牛だからいつでもお乳がでるのでしょうか?答えはいいえです。牛も赤ちゃんが産まれなければお乳は出ません。そのため人工授精という方法で母牛を妊娠させ出産させます。赤ちゃん牛が産まれると初乳だけ与えます。そして次回からのお乳は人間が横取りして牛乳として飲みます。乳牛は妊娠出産を繰り返して、赤ちゃんもミルクも人間に取られます。では赤ちゃん牛は何を飲むのでしょう。かれらは人工的に調整された粉ミルクを飲むのです。また母牛も大量の牛乳を生産するために、牧草だけでなく成分を調整された配合飼料を食べました。
残念なことにこの作られた食べ物の中に、異常プリオンが入っていました。牛海綿状脳症は1986年にイギリスで報告されて以来瞬く間に世界に広がりました。当初BSEは牛以外の動物には感染しないといわれていましたが、BSEを発症した牛から作られたキャットフードを食べたネコが海綿状脳症を発症。ヤギ、シカ、ミンク。人間でも確認されました。現在では肉骨粉を含む飼料を牛に与えることは禁止されています。
獣医さん達の学校では牛や豚は『経済動物』と呼ばれています。肉やミルク、チーズを与えてくれる動物たちです。そして彼らを生産する農家の方達は彼らと真摯に向き合っています。BSEを教訓に今後いっそうアニマルウェルフェア(動物福祉)が発展することを望みます。

最後に、動物の福祉を推進する運動が唱える動物が持っている権利を書いておきます。
*飢えや渇きにさらされない権利
*不快な環境にさらされない権利
*痛み、怪我、病気にさらされない権利
*自然な行動をする権利
*恐怖や苦悩にさらされない権利