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2014年2月11日第54回 ダニ?マダニ?の何が怖いのでしょうか?

もう一人の家族

ダニは地球上に50万種いるといわれ、寝具について、ハウスダストの原因となるのもダニですが、ここではイヌにつくダニのお話です。日本にいるダニでイヌにつくのは6属21種類。同じようにイヌにつく、のみは足が6本の昆虫類ですがダニは足が8本の蜘蛛類です。昆虫と違うところは脱皮を繰り返すこと。

ダニは野山ではネズミ、狐、狸、野鳥などに寄生します。河川敷、公園、道端の草むらにもいてイヌや猫に寄生します。葉っぱの上からやっとばかりにイヌに飛びつき吸血します。お腹が一杯になったら地面に降り、またイヌに飛びつくことを繰り返すうちに幼ダニ若ダニからついに大人の成熟ダニとなります。成熟ダニはたらふく吸血して落下し、2000~3000個の卵を産んで死亡します。

これだけなら血を吸われるだけですが、困ったことにマダニは『バベシア』という血液に寄生する原虫を唾液腺中に持っています。マダニが黒々とした小豆大になって人間に発見されるまでには1~2週間ほど経過していますが、バベシアがダニの唾液腺からイヌの体内に侵入するには48時間ほどしかかかりません。
イヌの体内に侵入したバベシアは赤血球中で増殖。そして赤血球を破壊し次の赤血球に移ります。これが繰り返されるとわんちゃんは、熱が出て、元気がなくなり動かなくなります。おしっこに赤黒い色が付き、赤血球が壊れたことにより貧血を起こし白目が黄色くなってきます。最終的には多臓器不全をおこすこともあります。

現在、バベシアの増殖を押さえる薬はありますが根治させる薬はありません。お散歩から帰ったらブラッシングをして体表の点検をする。マダニを防ぐ外用剤、内服薬を使う。などしてマダニがつかないように工夫しましょう。