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2014年2月11日第55回 新しいイヌの訓練法

群れで生活する動物、人間やイヌには幸せに暮らすためのルールがあります。
それを赤ちゃんたちはどうやって学ぶのでしょうか。

『心の理論』を唱えたC.D.フリス先生によると
①まず生き物とそうでない物の区別ができるようになる。
②向かい合った相手の視線の先を追って同じ物に注意を向ける。
③あることができたらもう一度やってみようとする。
④自分のしたことと他者のしたことの区別ができるようになる。
という過程を追って心が出来上がってゆくのだそうです。

いま話題のミラーニューロンという言葉があります。これはで示した、見つめた後さらに相手のすることと同じ行動をする神経と言われています。

赤ちゃんが生まれたとき生後10日ころからそれまで何でもない表情をしていた赤ちゃんがニッと笑う。目は開いていないので誰かに微笑んでいるわけではないのですがニッと笑う。これを新生児微笑といいます。生後3か月ころになると目を開いて相手をみてニッと笑う。こちらが舌をだすとまねをして出す。口を開けると口を開ける。笑うと笑う。相手を認めていることから社会的微笑といいます。これは人間の話ではなくチンパンジーのお話です。京都大学霊長類研究所の松沢哲郎先生の『想像するちから』という本に書いてあります。チンパンジーは一歳すぎるころから子ども同士で遊ぶようになります。真似をして同じ遊びをしていきます。だんだん群れの中で暮らすための知性が発達していきます。

『ミラーメソッド』という新しいイヌの訓練法がハンガリーから始まりました。私の真似をして!Do as I do! 鏡を見るように飼い主の動作をそのままイヌが真似をすることで新しい技を学習してもらう方法です。これならわんこを怒ったり罰を与えたりせずにしつけることができるのではないかと期待されている方法ですが、まずはわんこが真似したいと思うほど飼い主が信頼されている関係でないといけないようです。
ミラーニューロンによって起こされる赤ちゃんの微笑はいまのところチンパンジーやヒトでしか確認されていませんが、わんこでも起こっていると信じたいところです。