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2014年2月11日第58回 犬ジステンパーは犬だけの病気?

1994年タンザニア連合共和国のセレンゲティ国立公園でライオンが同じ群れの仲間をかみ殺す事件がありました。大人のライオンが大人をかみ殺すことはかつて無く、死亡数は3ヶ月で100頭近くになったそうです。

調べた結果、きっかけになったのは、ジステンパーウイルスでした。ジステンパーウイルスは、犬だけではなく食肉目に属すネコ、イタチ、アライグマ、アザラシなどにも感染します。症状は、まずくしゃみや鼻水がでる(その分泌物の接触感染で広がってゆきます)。まるで風邪のように熱がでる。黄色い目やにが出る。咳がでる。風邪だと思っていたら下痢をする。肉球がかちこちになる。その頃には免疫機能が落ちウイルスは頭の中に入り込みます。けいれんや発作などの異常な神経症状が出てきます。死亡率90%と言われています。

ジステンパーは18世紀に南米から始まりスペイン、ヨーロッパへとひろがりました。日本では日本オオカミの絶滅の原因ともいわれています。かつては霊長類には感染しないといわれていましたが、2008年9月。日本に輸入されたカニクイザルに集団感染がおき30頭以上が死亡しました。感染経路はいまだわかっていません。今後どのようにウイルスが変異していくか心配されています。

最初の話の続きです。
ライオンはなぜ大人ライオンをかみ殺したのか?
その年は雨が少なく草食動物の数が減りましたが、比較的水牛が生き残ったそうです。そのためライオンは水牛を狩ることが増えた。ところが水牛に寄生しているダニから、ライオンに血液の寄生虫が感染。そして免疫力が下がったところで次々とジステンパーにかかり神経症状が出現。群れの中で起こった異常な行動をするライオンを制するため、次々とかみ殺されたということです。
恐ろしい伝染病ジステンパー。まずはわんちゃんの予防注射から始めましょう。