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2014年2月11日第60回 サルコペニアって何?

 

最近患者さんに良く言われる言葉があります。『うちの子は年を取ってやせてきたのですが、ご飯を増やしても太らないんです。』この状態をサルコペニアと呼んでいます。で、そのサルなんとかって何でしょう?

ヒトもイヌも高齢になってくると筋肉の量が減り筋力が衰えてきます。高齢になれば誰にでも起こりうる状態で、原因は年とともに筋肉を作るホルモンが分泌されにくくなることと同時に、運動と栄養が不足することと言われています。ヒトでは45歳頃から始まっているという報告もあり、筋肉が減って脂肪だけ増えているサルコペニア肥満などという恐ろしい言葉もあります。ヒトでは抗重力筋と言われる、立ったり歩いたりする時に使う筋肉から衰えますが、イヌでは後ろ足と背骨両側の筋肉から衰えます。そのため関節や神経に異常がなくても、歩き方が弱々しくなったり、立ち上がりが難しくなったりします。また、動きはじめがぎこちないのですが、歩き始めるとテンポよく歩けます。

さて予防はどうしたらいいのでしょう。
激しくない程度の運動を続けて使える筋肉を保持する。良質のタンパク質を取る。というのが答えなのですが…。特に高齢犬用のフードでは腎機能を守るためタンパク質を減らしたり脂肪を減らしたりしています。高齢であっても、腎機能に異常がなければ高タンパク食は可能で、筋組織の減少を抑えられサルコペニアの予防になるといわれています(消化吸収できない過剰分は糞になります。多す ても意味が無いのですよ)。畑の肉、大豆にはバリン以外の必須アミノ酸(タンパク質の元)はほぼ含まれています。また、体に合う子と合わない子がいますが、生の肉は乾燥肉に比べ自然の消化プロセスが進みやすく乾燥や加熱で細胞が壊されていない分、細胞内物質も自然な形で体に取り込まれ有効利用されやすいと言われています(ヒトが生で食べられる肉に限ります。加熱しないと食べられない肉の中には寄生虫の危険があります)。

それぞれの家に合った形でわんちゃんの食事の工夫をなさってみてくださいね。