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2014年2月12日第63回 猫風邪は治らないの?

 

うーん!困ったな。「実は治らないんです」とお答えすると皆さん呆然!

猫風邪と言われている病気は原因が一つではなく、普通はネコヘルペスウイルスとネコカリシウイルスの混合感染。二次的にクラミジアやマイコプラズマなどの細菌が絡んで一見風邪引きに見えます。
ヘルペスウイルスはヒトでも有名ですが、ヒトとネコではウイルスの種類が違うのでお互い感染することはありません。困ったのはウイルスの性格。ネコヘルペスに感染すると、くしゃみ鼻水流涙といった風邪の症状が現れます。ウイルスは鼻粘膜、結膜、気管支に侵入し、くしゃみやよだれとともに大量に排泄されます。しばらくして症状がおさまり治ったかに見えますが、困るのはここから。このウイルスはヒトでは耳の上あたりにある三叉神経節に潜み、猫の持つ免疫機能から隠れています。そして猫にストレスがかかった時やステロイド薬を使った時などに、鼻や気管支粘膜で増殖し風邪の症状を起こします。つまり一度ネコヘルペスウイルスに感染すると体からは出て行ってくれないのです。いっぽうカリシウイルスは風邪症状とともに舌の粘膜に潰瘍を作るのが特徴で、猫は痛みのために大量のよだれを出します。半数は回復しますが、残りは健康にみえても生涯ウイルスを排出し続け、免疫の無い猫に感染を広げます。抗生物質はウイルスには効果がありませんが、粘膜の炎症に伴う二次感染防止のために使われます。ヒトの抗ウイルス薬が効くという報告もあります。

そんなわけで猫風邪にかかった経験のある猫達は何かというとずるずるくしゅくしゅ。極端な暑さ寒さや、ストレスから解放してあげることが猫風邪の予防になります。現在ではネコインターフェロンが一番効果的なようですが、残念ながら完全に体からウイルスがいなくなることは期待できません。
ウイルスと共存する?うーん、なかなか難しいです。