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2018年12月26日―maikkaさんの気まぐれブラジル便り―Vol.5

サンパウロの街を歩いていて新鮮に感じることは、この街の女性はみんなおしゃれだということです。特にご年配の女性、60~70歳代だと思われる女性たちがとても素敵な格好で街を歩いています。明るい色のワンピース、エナメルのヒール靴、赤い縁にビジューが埋め込まれたメガネなど、おしゃれだと感じる要素は挙げればキリがないのですが、日本との一番の違いは「おばあちゃんらしい恰好」という概念は存在しない、ということでしょうか。

ある日、日系人の方が営む洋服屋さんに連れて行ってもらった際、私が「これは色が派手すぎるし、丈が短い。若い子ならいいけど、私にはちょっとなぁ」とオーナーさんに話していると、彼女は真顔で言いました。「全然そんなことないわよ!人生短いんだから好きな色の好きな服を着ればいいのよ」と。

そのオーナーさんは数年前にご友人と日本を旅行で訪れた際、「風景に色がない」と感じたそうです。日本には色彩豊かな自然があるじゃないかと思いこんでいた私は、その言葉に少なからず衝撃を受けました。ブラジルから来た彼女たちの目には、街を歩く人が着ている洋服がほとんど黒・グレー・ベージュで、「色がない」ように見えたとのこと。確かに街を歩く人達も風景の一部。私がサンパウロの街を歩いていて感じたのと同じように、ブラジル人の彼女たちも自国との違いを感じたのでしょう。

オーナーさんとお話をしていて、改めて自分自身が、この年齢ならこういう色の服、体型に自信がないならこういうタイプの服を着なければならないといった思考に縛られていたことに気付かされました。そして、それまでは強盗に襲われないようにとなるべく目立たない暗い色の地味な洋服を着ていたのですが、それが逆にサンパウロの街では目立ってしまっていたということにも。

この日を境に、あまり深く考えず自分が好きな服を着ようと心に決めた私。たかが服、されど服。好きな服を着て外に出掛けると、足取りも軽くなるものですね。