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2019年2月26日◆わが町 今昔 知っトコ 第5回 築港中学校下の巻

築港大潮湯(桧垣宏之様提供)

土日のみならず平日でもたくさんの人で賑わう天保山。海遊館や観覧車、マーケットプレースなど、今でも楽しい施設が盛り沢山ですが、その歴史は古く、明治時代までさかのぼります。
大阪港の開港は1868年。その20年後には「天保山遊園」(1888~1897年)が開園しました。海水を沸かした入浴施設や釣り堀、潮干狩りなど、当時としては珍しいレジャー施設だったようです。その後、「築港大潮湯」(1914~1934年)という海水を使った温泉施設が開業し、プールやレストラン、映画や演芸場もありましたが、1934年の室戸台風で被災し閉鎖されました(磯路にあった市岡パラダイスは1925~1930年)。

みなと遊園(厚見昌彦様提供)

また戦後は、地下鉄中央線(大阪港〜弁天町間)の開業と同じ年に、「みなと遊園」(1961~1972年)が開園(現在の天保山第五コーポの地)。ジェットコースターやヘリコプター塔、プールや動物園など、大きな遊園地だったようです。平成に入ってからは皆さんご存知の海遊館とマーケットプレースが1990年に開業し、時には弁天町付近まで大渋滞を引き起こす程の賑いをみせます。ちなみに、海遊館という名前は公募されたそうですが、審査員だった上沼恵美子さんが「海遊館」を強く推されたそうです!

海遊館連携授業

ダンス部の活動

吹奏楽部の活動

 

海遊館の近くならではの取り組み、海遊館連携授業。希望する生徒たち十数名が海遊館のスタッフの方々と一緒に海洋生物を調査します。海が近い港区に住んでいても海洋生物については知らないことが多いですよね。飼育スタッフの方の専門的な説明や指導に、生徒の皆さんのみならず、付き添いの先生方も興味津々。幻の深海ザメ「メガマウス」の解剖や牡蠣の濾過能力、天保山岸壁の生態について本格的な調査を実施してきました。2016年に始まった北海道大学主催の「海の宝アカデミックコンテスト」で調査結果を発表し、中学マリン・サイエンス部門で「りゅうぐうのつかい賞(優秀賞)」を2年連続で受賞しました!
部活動では、吹奏楽部の皆さんが天保山まつりや八幡屋バルなど、地域のイベントに数多く参加し、長居公園でのクリスマスコンサートでは大阪ジュニアバンドの皆さんとコラボレーションで演奏することも。港区唯一のダンス部も、経験豊富な顧問の先生の指導により、大阪市秋季総合体育大会で奨励賞を受賞しています。頑張っている中学生の姿を見るとこちらも元気をもらいます。これからの活躍も期待したいですね!

 

一風堂さんのラーメン作り出前授業

オイスカさんの森のつみ木広場

校庭凧あげ

小学生の子どもたちは、ちょっとしたことをきっかけに大きく成長することがよくあります。港晴小学校では、子どもたちにたくさんの体験を!ということで、出前授業に来てもらったり、社会見学に参加したりと、数多くの体験学習に取り組んでいます。食育の一環で、有名ラーメン店の一風堂さんが出前授業に来られたことも。実際に使用している寸胴をトラックで運びこみ、ラーメンや餃子作りを体験し、プロの技に触れます。公益財団法人オイスカさんの「森のつみ木広場」では、車に積んだたくさんの積み木を体育館に広げ、子どもたちは思う存分に積み木を使い、思い思いの創作活動に熱中し、さらには日本の森の現状をお話しいただき、自然についても学びます。
学年によっては年間で10回近く社会見学へ出かけることもあり、社会見学を楽しみに学校生活を頑張る子どももいるとか。社会を知ることで、普段の学習内容が外の世界とつながり、視野を広げるきっかけにもなります。近くにある善児園の園児さんとの凧あげ大会もあり、年下の子どもと接することで思いやりや優しさが育まれます。子どもたちが成長するきっかけは百人百様、だからこそたくさんの体験を大切にされています!

 

ふれあい給食

着付け体験

和菓子作り

地域とのつながりが強い築港小学校。授業や課外活動に地域の方々がたくさん協力されています。6年生ではキャリア教育の一環で、保護者やご近所の方が自身のお仕事についてお話しされます。今年は消防士や通訳、給食調理員、過去にはパティシエの方にも来ていただき、様々なお話を直接聞くことで、子どもたちはそれぞれの将来を思い描きます。

接する機会が少なくなったおじいちゃんやおばあちゃん世代との交流も盛んで、給食の時間には地域の方々と一緒に食べるふれあい給食、土曜授業では昔遊びや昔の暮らしについて教えてもらい、芝生の手入れや学習園での農作物の栽培までお手伝いしていただきます。10年以上続く着付け体験では、浴衣をきれいに着る身だしなみやお茶の作法、そして和菓子の作り方を地元の静月さんに教わるなど、伝統文化も学びます。海遊館による出前授業や、避難所になっている大阪税関では避難訓練の際に麻薬探知犬のデモンストレーションを見たりするなど、築港ならではの体験学習もあります。地域と小学校の一体感は、無意識ながらも地域に見守られている安心感につながります。小学校を中心に地域で子どもを育てる「共育」で、のびのびと育って欲しいですね!