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2019年6月28日わが町 今昔 知っトコ

港区発‼地下鉄中央線

港区になくてはならない大阪メトロ中央線は、御堂筋線、四つ橋線に続き、三番目となる早い時期(一九六一年 弁天町~大阪港)に開通しました。同年のJR環状線の弁天町駅完成に合わせて建設され、中央線は最初の三年間、この三駅のみで、後に本町方面へと延伸していきます。他線に比べ早い時期に建設されたのは、国際見本市会場(今の八幡屋公園)を誘致した朝潮橋と、海外との貿易拠点である大阪港へのアクセスが重要だったから、という話もあります。港区が昔から国際的な地域だったことがうかがえます。中央線のラインカラーの緑色は、沿線にある大阪城公園の緑に由来し、地下鉄なのに地下ではなく高架なのは、当時の港区はまだ台風や高潮等による浸水被害が多かったことや地盤が弱かったためです。港区民の足を支えるこの三つの駅を中心に、それぞれの周辺地域を特集していきます。今回は大阪港駅の周辺からスタートです。


▲右奥に見えるのが弁天町駅、手前は弁天埠頭(昭和40年頃)  (写真提供:大阪港振興協会)


▲市立運動場(左)と国際見本市会場(右)   (「みなと今と昔」より)

子どもたちの夏休みがはじまる合図とも言える夏祭り。港区では五つの神社で催されます。夜店の
イメージが強い夏祭りですが、本来は年に一度の大祭式例祭(最も重要な祭祀)と呼ばれる神事です。
港住吉神社の本社である住吉大社は、令和で話題の万葉集にも多く詠まれ、当時は住吉と書いて
「すみのえ」と読んでいたそうです。築港にある港住吉神社は、天保山が完成した十年後の一八四二年、港の安全を祈願して、
天保山の中腹に祀られました(大阪港開港は一八六八年)。夏祭りに踊られる住吉踊りは、豊作を祈る御田植神事を始め祭典時に踊られていたもので、三世紀の神功皇后時代に起源を持つ歴史ある踊り。今年も五十人ほどの子どもたちが踊る予定です。
全国的に有名な住吉踊りを見に遠くから来る方もいるようです。
氏子地域の皆さん、特に子どもたちが支えている夏祭り。地域の子どもが少なくなると、夏祭りの存続が難しくなります。少子化で子どもが減少していく将来、地域の垣根を越えて、神事である夏祭りを残していく取り組みを考える必要があるかもしれませんね。


住吉踊り


戦前のみこし渡御


松本英之さん


天保山まつり

毎年秋に開催される天保山まつりは、昨年第11回を迎えました。十数年前に、築港を盛り上げようと地域の方々が始めた『みなと秋まつり』がきっかけです。現在、天保山まつりを主催する『築港・天保山にぎわいまちづくり実行委員会』の事務局長をされている築港在住の松本英之さんは、海と港が好きということで大阪港のにぎわいづくりに尽力されています。大阪市立大学都市経営研究科の特任教員を務めながら、『みなとまちづくりマイスター(国土交通省港湾局長賞)』に認定され、港のまちづくりを研究されています。事例を学びに日本各地の港町を視察に訪れるうちに、違う視点から港区の良さを再発見し、港区全体の将来まで考えるようになったそうです。「港区の歴史に繋がる、ストーリー性あるまちづくりが大切。港区にある3駅、弁天町、朝潮橋、大阪港の周辺地域はそれぞれカラーが異なるので、それぞれの特色を生かしたまちづくりをしていく必要がある」とのこと。「天保山まつりも、どこでも開催できるイベントではなく、天保山だからこそ出来るイベントです。海や大阪港に関連した帆船や菱垣廻船、大阪湾で採れる魚介類など、天保山ならではのイベントにすることが大切」と話され、他の地域では出来ない『天保山らしさ』を創られています。いつもと少し違う視点で見ると、天保山まつりの楽しみ方も変わりますね!今年は11月10日(日)に開催です!!

毎月第2土曜日の築港高野山は、地域食堂「カレーハウス ほっこり亭」で賑わいます。地域の方々が朝から準備され、11時半にオープンします。子ども会の練習後に来る小学生や部活前後の中学生、保護者の方々や学校の先生、地域のおじいちゃんおばあちゃんも集まり、食堂に入りきれない子どもたちが、境内でアウトドア気分を味わいながら食べるほど盛況です。取材に伺ったこの日は、消しゴムはんこのワークショップが開かれ、彫刻刀やカッターで「イルカ」や「てるてる坊主」の消しゴムはんこを作り、オリジナル葉書を制作していました。「はんこ作っていいかお母さんに聞いてくる!」「はんこ作るかお兄ちゃんに相談してくる!」と、大人にとっては些細な事も、低学年の子どもたちには一大事でした(笑)。食事の後は学習会もあり、地域の方と一緒に学校の宿題をしたり、勉強の仕方を教えてもらったりと、まさに寺子屋でした。大人も子どもも集まって、みんなでワイワイガヤガヤと楽しめる空間は、地域で子どもたちを育むきっかけになりますね!