わいワイ がやガヤ 町コミ 「かわらばん」

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2019年9月2日ーmaikkaさんの気まぐれブラジル便りーVol.8

 

子供の頃に世界地図を眺めながら、「世界にはこんなに細長い国があるんだなぁ」と思った記憶があります。そう、チリです。「細長い国」という印象だけで、まさか自分がその地に足を踏み入れるとは微塵も考えていなかったチリを訪れる機会に巡り合いました。
ブラジルと同じく南米大陸にあるチリは、ブラジル サンパウロから飛行機で5時間。辿り着いたチリの首都 サンチアゴは、サンパウロとは雰囲気が全く違うことに驚きました。まず公用語はスペイン語(南米のほとんどの国の公用語はスペイン語で、ブラジルは数少ないポルトガル語の国です)。街並みもどこかヨーロッパの雰囲気が漂います。海と山が近く、顔にあたる空気もサンパウロよりだいぶ涼しく感じました。
今回の旅の目的は「世界で一番きれいな星空を見る」ことです。サンチアゴから飛行機を乗り継ぎ、1時間弱。降り立ったのはラ・セレナという地方都市。そこからレンタカーで2時間。絵の具の青色をそのまま塗ったような真っ青な空の下、エルキバレーという小さな町に辿り着きました。
エルキバレーは標高2000メートルを超える高地にあり、地球上で最も降水量が少ないことから、空気が澄み切っています。そのため、世界で一番たくさんの星が見える場所と言われています。その言葉のとおり、明かりがない真っ暗闇で見上げた夜空には隙間がないくらい埋め尽くされた無数の星。今まで見上げていた日本の夜空にも同じだけの星があるはずなのに、自分には見えていなかっただけなのだと気づきました。電気を付けて明るくすればたくさんのものが見えると思い込んでいましたが、その逆。澄み切った空気の中で真っ暗にするからこそ見えるものがこんなにもあるのかと思い知らされた瞬間でした。
この星空の感動に浸りながら帰路へ。経由地のサンチアゴで一泊し、名物のウニといくらをたらふく食べて、翌朝のフライトでサンパウロの自宅へ無事到着。遠かったけどいい旅だったね、と余韻に浸っていたところに、サンチアゴのホテルから一通のメールが届きました。「カメラをお部屋にお忘れですよ」と・・・
ホテルから自宅までカメラを郵送してもらうことにしたのですが、国際郵便のため税関を通過する必要があります。この税関で「新品の輸入」とみなされると法外な額の関税が掛けられてしまうのです。それからの数日、慣れない英語とほとんどわからないポルトガル語で、輸送会社の担当者に「これは新品じゃない!単なる忘れ物だ!!」と訴え続けて、なんとか無事にカメラが私たちの手元に返ってきました。
世界一の星空とともに、「忘れ物にはご用心!」と胸に刻んだ旅でした。